「日本のかたち」
48点の作品から選ばれた個々の作品と、それにまつわる事柄を語る映像です。
私たちの祖先は、四季折々の豊かな自然の中で、世界でも稀な日本独自の文化を育んできました。
四季を彩る花や鳥、魚などの自然界の姿は、衣服や食器にシンプルなデザインとして取り入れられ、私たちの暮らしに親しまれてきました。花を愛で、季節の移ろいを読むという日本人の美意識が、これらのデザインに色濃く反映されています。
近年、生活の西洋化に伴い、この美意識が薄れ,または,忘れられつつあります。見事に意匠、陰刻された木型から生み出される和菓子もその一つです。そこで、この木型に見られる日本独自の美しさを反映させた作品ができないかと考えました。単に意匠を再現するのではなく、蓋つきの箱をつくりその蓋の意匠に呼応する諺、童話、慶事などのモチーフを箱の中にしつらえます。蓋をあけると、場景が現れ、日本人は、これらから隠された物語を容易に思い起こすことができるのです。